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成田空港線

たなきんです。いつものように長文です。なお、関東地方以外にお住まいの方には、馴染みのない地名が出てきますがご了承ください。それでも最後には読者全員がなるほどと膝を打つ投稿になっておりますので、ご笑覧ください。

鉄道路線の命名には、阪急京都線、JR奈良線など終着駅を名前にしたものと、関西本線、堺筋線、烏丸線など道路や地域そのものを表すもの、そして、京阪京津線、阪神線、東横線など始発と終点の駅名や地域名を付けたものに大きく分類される。まあ、東西線などという味気ない例外もあるが今回は、東「京」と「成」田を繋ぐ「京成電鉄」を乗り鉄したのでご報告したい。

京成上野駅

某月某日8時00分、生まれて初めて利用する京成上野駅からスカイライナーで成田空港を目指す。この駅は上野公園の地下にあって、JR上野駅から徒歩3分くらいの場所にある。平日なので乗客は少ないと思っていたが、次の日暮里駅から乗り込む客が多い。上野駅より日暮里駅からの乗客が多いのは当然なのだと気付かされる。東海道新幹線の全ての列車が品川駅と新横浜駅で停車する理由と同じなのである。

さて、京成電鉄の線路幅は新幹線と同じ標準軌(1,435mm)で、一般のJRの軌道(1,067mm)より広い。また特急スカイラーナーは横に4席しかなく、新幹線のグリーン車と同じ座席配列となる。そして、新幹線と同じく継ぎ目のないロングレールで乗り心地がよく、さらに線路の壁が低く、加えて窓の位置も低く大きいので眺めが良いことが特徴である。なお、京成上野駅から走る京成本線は、都市部でカーブも多く踏切もあるが、途中から北総線区に入ると高架線で直線部が多く踏切もなく、新幹線には敵わないが、時速160kmを出して上野・成田空港間を40分くらいで移動することができる。関西の方には新快速で京都・大阪を移動する時間がほぼ同じだと説明すると判って頂けるであろう。この北総線区は当時の国鉄によって成田新幹線として計画、着工され、途中まで工事が進んでいたのであるが、諸般の事情により中止となり、その大部分を京成電鉄が引き継ぐことになった。つまり、京成電鉄成田空港線はマボロシの新幹線のレールの上を走っているのである。

特急の窓から左側に印旛沼を望むころに気がつくと線路は単線になっている。最初は成田新幹線として計画された線路が、最終的には京成電鉄の線路となり、大きな投資ができないので単線で終わるとは悲しい運命ではある。
ちなみに東京駅から東京ディズニーランドのある舞浜駅に向かう京葉線の地下コンコースはとても天井が高くむやみに広いスペースをとっている。これも実は成田新幹線の駅の予定で作った構造物なのである。

8時44分、成田空港駅到着。ここで京成電鉄の東成田駅までの道を訊ねるが、誰の回答も要領を得ない。本当は地下道で移動できる筈であるが、地下道の入口が判らないので小雨の中を歩いて行くことにする。しかし、ネットのマップもGPSが20mくらいの誤差があり大いに戸惑う。それでもなんとか東成田駅に到着した。但し、私の入った第5ゲートは裏口のようであり、荷物検査の係員が居たが検査なしで通過した。
かつては賑わっていただろうと思える東成田駅は正面出口への階段の幅も広く、改札口前の空間も大きい。但し、今となっては歩行者は私一人で、シェパードを連れた警備員がこの地下駅に突然現れた時は驚いた。

第5ゲートシェパードを連れた警備員がこの地下駅に突然現れた時は驚いた

私の記憶によれば第一ターミナルからかなり歩く場所にある京成電鉄「東成田駅」は、昔の京成電鉄「成田空港駅」であり、この駅から空港建物までシャトルバスが運行していた筈だ。そして空港ビル地下には工事が遅れていたが成田新幹線の駅ができる筈であった。
当時は羽田空港の狭隘化に伴い、成田空港を国際空港、羽田を国内線専用の空港として計画されたのである。しかし、成田空港設置反対運動が過激になり管制塔が破壊される事件が起きたり、今でも拡張工事を反対する地主が残っていたりして、計画通りに工事は進捗できなかった。
そこで羽田の滑走路を多摩川の上に張り出すなどの工事を行って羽田も国際線を運用することになった。成田空港の側からすると計画の便数は期待出来なくなり、新幹線も成田空港反対運動の対象で工事も中断となったようである。
ということで、新幹線の線路、空港ビル地下のホームも京成電鉄に任せるようになったらしい。ところが京成電鉄には既に空港近くまでの線路と今の東成田駅があって既に運用していたのである。言い換えると京成成田空港線と京成東成田線の二本を京成電鉄は運営することになったのである。そして東成田線は成田空港線の開通により一挙に利用客が減少し一刻も早く撤退したいが、曰く因縁故事来歴があってそうもできないのである。

さて、旧成田空港線の終点である東成田駅から、芝山線というたった一駅区間の私鉄路線がある。この芝山線の成り立ちは、飛行場の開業に伴い、飛行場を横断する方向の移動が不便になる補償として、東成田駅から小型電車の線路を二駅分作る約束になっていた。ところが住民との議論の結果、京成電鉄に乗り入れる形で話がまとまった。つまり、京成と寸法や電源など共通仕様の車両を使い、線路を接続するということである。さらに空港反対派の土地を迂回するなどして一駅分だけできたものの、その先の延伸は真っ暗である。さて京成電鉄に乗り入れると言っても、国策赤字企業の芝山線を引き受けるほど京成電鉄(とその株主)も馬鹿ではない。しかし、芝山線と京成電鉄は乗り入れ可能な形で作ってしまったので、日本一短い2.2kmの芝山線を残して東成田線を撤去するわけにはいかない。

なお、芝山鉄道は社員16名であり、電車の運転手はおらず京成電鉄に委託し、車両も京成電鉄からのリースで賄っている。資金不足により、Suica(関西のICOCA相当)の機械も導入できずにいる。また、経営の一助として空港にお土産屋を出店している。将来に繋ぐ話として、この芝山線を延伸してJRの駅に接続する話も出ているが、既にバス路線があるのでわざわざ投資する理由もないと思われる。主な利用客は空港整備工場の職員で、株式の七割近くを成田国際空港株式会社が保有しているので倒産の恐れはないと思われる。

タナキン

北山ユース開所366日目から宿泊して、皆さまに育てられた大昔のホステラーです。 京都の寺社仏閣の全数踏破を終え、次に季節毎の拝観を実施中。

2件のコメント

  1. 京葉線(成田新幹線)東京駅のホームが有楽町寄りに作ったのは、新宿延伸の構想があったとか。東京駅の真下に作ると、皇居の下に地下路線を作ってはならないから。

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