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京都はどこまでか

たなきんです。いつものように長文です。

大型で非常に強い台風14号(ナンマドル)は、9月20日午前9時に温帯低気圧に変わりましたが、皆様如何お過ごしのことでしょうか。運休はあったものの鐵道に大きな被害がなかったようで、旅好きの私としては胸を撫で下ろしております。何しろ、先月の大雨で青森県の五能線や津軽線は復旧の見込みが付かないほどの被害を受けており、上述の路線に加え恐山に行く大湊線などを巡る手配済みの切符をキャンセルしたばかりなのであります。

さて、今年五度目になる上洛の際に寺社仏閣巡りをするのですが、戸惑うことがあります。皆様お馴染みの平凡社ポケット地図「京都」に記載されている寺社仏閣は全数踏破し、そこに記載されていない寺社を求めて、今年の祇園祭の際には鞍馬の先、花脊や雲が畑まで遠征しました。JR東海のキャンペーンの寺社巡りで、常照皇寺や山国神社へも参りました。

つまりは、知らず知らずのうちにポケット地図の範囲の外側も歩いていたのです。それでも訪問参拝する場所は散発的であり、ポケット地図に替わるヨリドコロが欲しくなったのであります。一体、京都はどこまでが京都なのでしょうか。

一般にお土居の内側を本当の京都と見做す説がございますが、それでは鴨川の東側は京都ではないことになってしまい、不都合が生じます。京都市とか京都府という自治体の範囲で考えるとこれまたおかしいことになります。京都府という枠で考えると日本海に面した天橋立や舟屋で有名な伊根町は観光地としては有名ですが、いわゆる京都のイメージはございません。京都市という枠で考えると平等院や三室戸寺は外れてしまいます。

実感するのは京都市バスの一日券の有効区域ですが、少し昔には嵐山は区域外であったのです。また、今でも大原は区域外ですが、「京都、大原、三千院、恋につかれた女がひとり」と唄にもあるように大原は京都なんだけどなあと思うのであります。まあ、あの歌詞を作った永六輔氏なかりせば、大原はそれほど有名になっていなかったと言えましょう。

ということで、平凡社ポケット地図より広い範囲をカバーするガイドブックをいくつか並べてみました。まずは、ここ五年間愛用している光村推古書院の「京都手帖」であります。実のところ平凡社の地図より数多くの寺社仏閣が掲載されていて、あ行で始まる寺社は48もあり、その数はポケット地図の2倍もあります。ちなみに役所のリストもあって、京都市の他には亀岡、向日、長岡京、八幡の市役所と山崎町役場が掲載されているので、地域のカバレッジは推定できます。ところが、サントリーの宣伝で有名な「京都郊外、山崎の郷」の宝積寺、離宮八幡宮、観音寺(山崎聖天)などの寺社は一切載っていないのであります。

京都手帖2023

ということで、次に手に取ったのは株式会社学研プラスの「地球の歩き方」京都編であります。伏見の造り酒屋巡り、銭湯巡り、文学作品に登場する「京都」巡りなど興味を引くコーナーもあって非常に楽しい編集なのですが、天橋立や日本海沿岸の記事もあり、前述の山崎の郷の寺社は掲載がありません。折り込み地図を加えると470頁くらいある大冊なので網羅性はあるものの、肝腎の山崎抜きでは困ります。

J03-地球の歩き方-京都-2023-2024

ここで昔話に脱線しますが、関東地方に住んでいてサントリーウイスキーの山崎工場のを紹介するコマーシャルを気に入っておりました。霧に包まれた杉林の奥にレンガ造りの工場が出てきて、それらしき職人さんが真面目な顔を見せるのです。ところが、京都に通うようになって、ついでに大阪に脚を伸ばすときもあり、阪急京都線やJRの新快速に乗ってその工場を眺めると、テレビの画面作りに随分と騙されたなあと後悔したものであります。ついでにいうと「白州」はサントリーの工場がある地名ですが、そこを流れる川の名前は「濁川」だったのですが、近年に「神宮川」へと改名されました。まあ、名前はともかく、その川で採れた白砂が明治神宮に使われていることも付記しておきましょう。「にごり」ではイメージが悪いという理由が日本政府に認められたとか。私はこの話を地元の北杜市に山荘を持つ方から教えて貰いました。

さて、よた話はこのくらいにして、参考にすべきガイドブックの最終兵器がJTBパブリッシング社の「京都大知典」であります。初版は2010年に発行されていて、有識者の中では非常に評価が高い本であります。なんと640頁もあり、索引を開くとあ行の寺社だけでも60を越えております。

京都大知典

Amazonの説明では「世界遺産に登録された有名寺院から記念館などの施設まで、寺社仏閣、見どころ、さらに食やみやげ物の老舗や有名店も含めて約1000軒を紹介する、京都の完全案内本が登場。各寺社の歴史や宝物を含めた詳細な解説に加え、できるだけ多くの写真を使用している。また、寺社仏閣の見方や歴史、美術史などの解説も。京都の古都観光には必携の一冊。」とあります。

本の章立てを観てみると、東山、洛中、洛北、洛西、西山、洛南とありますので、私の望みを叶えてくれる本のようです。

なお、厚さ2センチを越えて重量もそこそこありますので、携帯や袖珍、バッグに潜ませるのは無理がございます。案の定、人気が出ずに初版が発行され後、重版は敵いませんでした。私も中古で入手しました。発行してから干支が一回りしてしまった本ですが、寺社には大きな変化はありませんので問題はありません。発行当時の値段が2,500円で、Amazonでは700円台の中古本も出ておりますので、京都好きの方には必携の図書と思われますのでお買い求め下さい。なお、新品は6,000円を越える値段が付いております。

既にお持ちの方もおられましょうが、京都マニア必携の書でありますので、ご覧下さい。

タナキン

北山ユース開所366日目から宿泊して、皆さまに育てられた大昔のホステラーです。 京都の寺社仏閣の全数踏破を終え、次に季節毎の拝観を実施中。

2件のコメント

  1. 酒好きの脱線コメント。

    サントリーの広告には 山崎蒸留所を「京都の南西・天王山の麓にたたずむ…」と 書いてあるんですよね。
    天王山は 京都府乙訓郡大山崎町大山崎で 京都だけど 蒸留所は大阪側の麓にあって 大阪府三島郡島本町山崎なので 大阪府なんですよね。
    京都にあるとは 書いていない微妙な書き方!でも 嘘じゃない。(笑)

     

    1. そねまんさん、山崎蒸留所の情報をありがとうございました。本当にサントリーは宣伝がうまいなあと思うのですが、最近のサントリーはセサミンとかロコモアの宣伝ばかりでナンだかなあと思うのであります。

      計画性もなく洛外を徘徊してきて、次は山崎かなあと漠然と考えて今回の投稿に至ったのですが、改めて調べて見ると2022年5月から、山崎工場の工場見学が再開されて、試飲もできるようになったらしいので、寺社見学よりそちらを第一優先で計画を練ってみたいと思います。なお、キリンビール横浜工場では少し前まで無料(現在500円)ですが、山崎の試飲コースは1,000円取られます。そして、2022年9月22日現在で見学予約は10月末まで満席でした。

       

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