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壱銭洋食

たなきんです。いつもより少し短い文章です。

京都祇園四条通りの北側、大和大路通との角地に「壱銭洋食」という店がある。読者諸兄の中には食べた経験のある方は少なからずおられるのではないだろうか。私は、四条通りを八坂神社に向けて歩き、鴨川四条大橋東詰の角の「レストラン菊水」から始まって、天ぷらの「天周」、葛切りの「鍵善良房」、そして鯖寿司の「いづ重」などで食べたことがあるが、この「壱銭洋食」は、古都の風情に似つかわしくないと思い、敬遠していたのである。

この店のウエブサイトを観ると、すでに実店舗は三店舗に拡大しており繁盛しているようである。そして名称が商標登録された「壱銭洋食」とはナニモノなのだろうか。手間を省くために流行りつつある人工知能のChatGPTに尋ねてみた。回答は下記である。

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・壱銭洋食は、お好み焼きとは異なります。これは、特に大阪で食べられる伝統的な街の食べ物で、小さな焼きそばのような料理です。

・壱銭洋食は、小麦の生地やうどんを使って焼かれ、一般的にはそばや豚肉、キャベツ、もやし、ネギなどが具材として使われます。

・お好み焼きと比べると、壱銭洋食は小ぶりで、一口サイズの焼きそばのようなもので、手軽に食べることができます。

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回答と一緒に出てきた、大阪風と広島風のお好み焼きの説明も併せて載せておく。

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広島風お好み焼きは、広島地域の特徴的なスタイルで、鉄板の上で生地と具材を重ねて焼き、最後に麺(通常はうどん)が加えられます。

大阪風お好み焼きは、生地にキャベツや豚肉、ネギなどを混ぜて、平たい円形に焼かれます。上にソース、マヨネーズ、青海苔がトッピングされることが一般的です。

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なんで、この文章を書き始めたのかというと、田中小実昌著「ふらふら日記」1987年9月毎日新聞社刊(手元にあるのは中公文庫版)の文中に、広島風お好み焼きのルーツが書かれていたので、各位にお知らせしたくなったのである。詳しくは原書にあたられたいが、長い文章を引用する。

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お好み焼きと広島とは、前は何の縁もなかったはずだ。それが突然、広島のお好み焼きが有名になり、お好み村がガイドブックにも乗るようになった。不思議なこともあるものだ、と僕は思っていた。

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田中小実昌氏は戦前の生まれで、子供の頃には一銭硬貨を実際に使っていた時代の人物である。

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その訳が、この日、お好み村の中の「ちいちゃん」という店に行ってわかった。お好み村の村長の吉田正三郎さんと話していて、「ほら、ずっと前に一銭洋食というのがあって・・・」と言われ「あぁ、あの一銭洋食が・・・」と顔がほころび、謎が解けた。僕が子供の頃は一銭洋食をよく食べた。僕は甘いものが嫌いで、一銭洋食が好きだった。僕たちの頃は、もう五厘玉はなく、一銭が最小貨幣だったが、子供の小遣いは一銭、二銭が普通だった。

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広島の「お好み村」が二階建ての木造?プレハブ?で出来たのは昭和38年(1963年)で、私の記憶では相当に汚かったが、平成4年(1992年)にはビルになって立派になった。

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普通のお好み焼きでは、材料をみんなボールに入れ、卵も一緒にかき混ぜて鉄板の上にボトッと落とす。

ところがお好み村では一銭洋食と同じやり方で、鉄板に小麦粉の丸い円を描き、キャベツともやしをかなりたくさんのっけて、それに天かすと刻んだネギを置き、豚肉を乗せ、塩胡椒をふりかけてその辺で、また小麦粉の溶かしたのをちょぼちょぼと塗る。

このお好み村ではそれに鉄板で少し焼いた焼きそばを入れる人が多く、またスクランブル・エッグを別に作って乗っける。生牡蠣、生イカ、餅なども入れる人もいる。

一銭洋食は鉄板の小麦粉の塩の上に糸昆布、天かす、ネギ、花ガツオを、それにちょっぴりデンプで赤みをつけ、それにまた小麦粉の溶かしたのを垂らした程度だったが、広島のお好み焼きは一銭洋食が原点ですよと吉村村長さんはおっしゃる。

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引用文が本文の一定割合を超えると、引用ではなくなり著作権法違反となるのでここら辺で引用を止めることにするが、要は広島の「お好み焼き」は一銭洋食がルーツであり、祇園の「壱銭洋食」もルーツは同じということである。

来月に広島に行く機会があり、駅ビル内の「麗ちゃん」でお好み焼きを食べる計画を立てている。そして広島からの帰途に京都に一泊して冬の特別公開のお寺を巡る予定であるが、果たして私は祇園で「壱銭洋食」を食べる気持ちになっているのであろうか。

「壱銭洋食」のウエブサイトはこちら

https://issen-yosyoku.co.jp

タナキン

北山ユース開所366日目から宿泊して、皆さまに育てられた大昔のホステラーです。 京都の寺社仏閣の全数踏破を終え、次に季節毎の拝観を実施中。

1件のコメント

  1. 昨年の祇園祭の合間に行って食べてきました。美味かった 結構お客さんがきていていましたよ、

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