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京都手帖

たなきんです。いつものように2000字くらいの文章です。

2007年に「京都祇園祭手帳」が河原書店から創刊され、その初版本を持参して山鉾巡行に臨んだところ、北山ユースの仲間の皆様も何人か購入済みで、早速二つばかり内容の間違いを指摘されており流石だなあと唸った記憶がある。手軽に持ち歩くことのできるサイズで、御朱印帳にも使え、情報はどこよりも詳しいと腰巻に書いてある。初版は1,200円で、一万五千部の発行だった。日本を代表する祭の祇園祭に焦点を絞り、前祭の巡行だけで毎年20万人を超える観光客を対象にしたスマッシュヒットだと思っていたら、今年2019年の版はなんと2,750円になっていて驚くばかりである。なお初版は256ページだったが2019年版は338ページで2分冊に成長している。なお、私には広島の大先生がレクチャーして下さるので、初版本は買ったがそれ以来、この本は買っていない。

さて、本題に入る。私の手元に光村推古書院発行の「京都手帖」の2019年版と2020年版がある。初版は2006年でこの手の手帳の中では最も歴史があり、ある時期「京都手帖プラス」という大判も発行していた時期があるくらいで、毎年二万五千部は発行されているという。何よりも週間スケジュールのページに京都の寺社仏閣の祭事や行事が網羅されているところが特色である。後はガイドブックと同じくバス路線図、祇園・清水や四条烏丸などの観光マップ、山鉾マップ、葵祭や時代祭マップや、オシャレなイタリアンやパン屋の紹介まである。巻末には社寺の所番地、拝観料、開門閉門時刻、最寄駅からの徒歩移動時間などのデータ表もアイウエオ順に並んでいる。博物館やホールなど文化施設の一覧まで備えていて痒いところに手が届いている。

なんと売価も2019年版の1300円から2020版は1500円に値上げとなっている。

これだけのヒットなので、京都手帖の後追いを狙ったのか、数年前に複数の京都手帳が出版されていた。

京都の月刊タウン情報誌である「Leaf」を今も発行する会社の株式会社リーフ・パブリケーションズが、「京都毎日手帖」を2012年9月に発行したところ、「京都手帖」に大きさや内容までクリソツだったので元祖本家の光村推古書院からクレームがついて5000部を回収したという事件があった。これでアヤがついたのか今は発行されていない。

そして地元京都大手のPHP研究所も2016年に「京都しあわせ手帖」を発行して参入してきたが、2018年版を最後に討ち死にしてしまった。三年間の三冊で撤退とは悲しいことである。作家の柏井壽氏の二十四節気解説を重視し、節気に合わせた和菓子や野菜の紹介に重きを置いた編集のためか手帖として使いにくいという声もあったようです。Amazonで2018年版新品が1,430円、中古が580円から出てますので、ご趣味の方はどうぞ。

「京ごよみ手帳」を出しているのは宮帯出版社で、2011年に初版を出して2020年版も出していて一人というか一社で気を吐いている。監修がベテランの京都ガイドということでコアな情報が豊富に掲載されている。また、用紙を変更したり、東京限定版を出したり色々と企業努力をしている。

そして、ほぼこのジャンルの手帳で一人勝ちとなった光村推古書院は2018年に4月始まりの「Kyoto Techo Petit」1,650円を出して、「京都手帖」、「京都手帖プラス」とのトリオ体制に入ると思いきや、プチは一年だけ、プラスも廃番となってしまった。なお、「京都手帖」は全国版と京都限定版があって中身は同じながらもカバーデザインが違うのでマニアは無理して京都版をなんとかして購入してしまうのである。(Amazonでは購入不可)

さて、本当に書きたかったことを書こう。毎度おなじみ「平凡社ポケット地図」昭和五十年初版発行、北山ユースホステル開所2周年記念の金箔押しのある地図の寺社仏閣を全て回ることをライフワークとして苦節五十年近くを積み重ねていることは読者諸兄のご存知のことであろう。残りは両手の指を余すくらいになっていて、例えば宇治のページは「菟道稚郎皇子墓」だけを残してコンプリート状態である。そこで「京都手帖」を開き、その宇治マップを眺めてみて気がついた。なんと「菟道稚郎皇子墓」が掲載されていないばかりか、天皇陵は一つも載っていないことに気がついた。まあ、山科や桂、長岡京、高雄、大原、詩仙堂近辺のマップがないことにも気がつくと、その編集方針が判ってくるのである。

「平凡社ポケット地図」は京都を二次元に表したもので、「京都手帖」は京都の一年を時系列に示したものである。この手帖のマップはおまけだと考えた方が良い。これで納得した。

ちょうど、10月が来年の手帳の発売時期で、すでに本屋さんの棚に並んでいるので、手に取ってお確かめ下さい。なお写真の2020年半(狸の絵がある)は京都限定版なので京都府内の書店でしか入手できません。横浜在住の私は特殊ルートで入手しております。

京都手帖2019 https://www.amazon.co.jp/京都手帖2019-光村推古書院編集部/dp/4838105797/ref=sr_1_15?hvadid=386490741544&hvdev=c&jp-ad-ap=0&keywords=京ごよみ手帳&qid=1570702106&sr=8-15

京都手帖2020 https://www.amazon.co.jp/京都手帖2020-光村推古書院/dp/4838105916/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=京都手帖&qid=1570706622&sr=8-1

京ごよみ手帳2020 https://www.amazon.co.jp/京ごよみ手帳2020-光-吉村晋弥/dp/480160210X/ref=pd_sbs_14_3/355-3533052-3615906?_encoding=UTF8&pd_rd_i=480160210X&pd_rd_r=91b9ace2-fea8-4f2c-b488-d16dee59b70a&pd_rd_w=ZVFnu&pd_rd_wg=Xv4c7&pf_rd_p=6ddd665c-336f-42de-9ea8-6535e07b5598&pf_rd_r=6RNGQ5M03QRV5NC5NY11&psc=1&refRID=6RNGQ5M03QRV5NC5NY11

京都祇園祭手帳 https://www.amazon.co.jp/京都祇園祭手帳-河原書店の手帳ブック-河原書店編集部/dp/4761101776/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=京都祇園祭手帳&qid=1570708928&s=books&sr=1-1

タナキン

北山ユース開所366日目から宿泊して、皆さまに育てられた大昔のホステラーです。 京都の寺社仏閣の全数踏破を終え、次に季節毎の拝観を実施中。

3件のコメント

  1. 2020年11月22日読売新聞の書評欄に「京都手帖2021」の評が載せられていたので紹介する。文章は木琴奏者の通崎睦美氏。著作権の問題があるので、一部引用と要約でお届けしたい。

    「この季節になると京都の書店ベストセラー第一位に輝く本がある。それがこの『京都手帖』だ。発売15周年、『いつも京都がそばにある。』と帯をつけ、書店に積まれる。」

    この書評の題名は「隠れたベストセラー」と記され、「手帖の各日欄にはその日に京都で行われる行事が網羅されている。例えば、来年11月第3日曜日はこんな風だ。御影供(みえく)/仁和寺、摂末社秋祭/上賀茂神社、開山忌/酬恩庵一休寺、写経のつどい/智積院、弘法市/東寺などなど」、「あまり有名でないが興味深い祭りを見つけることもできるだろう。」とある。

    何よりも「今の時代、日や場所を限定すればインターネットで詳細を調べることができるが、全体を俯瞰した情報は意外と少ない。」とあるのは同感できるのである。

     

    私が初めて「京都手帖」を手に取ったのは四条大宮角のブックファーストであるが、今年12月29日を持って閉店という知らせがあった。11月16日から文具・雑貨商品の三割引閉店セールが始まっているらしいが、誠に巨星墜つの衝撃である。

  2. 「京都手帖」を発行している光村推古書院から2022年度版のお知らせが届いた。この本は隠れたベストセラーであり、16年も続いているロングセラーでもある。この年月を経てコンセプトも定まり、安定感を感じるようになってきた。お値段は税込み1650円。

    以下、光村推古書院からのお知らせの一部を転載する。

    「光村推古書院株式会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社のグループ会社でしたが、事業再編により京都手帖はカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社光村推古書院「京都手帖」編集部が発行し、光村推古書院株式会社が販売を担う体制になりました。」

    TSUTAYAやTポイントカードを運営するCCCが、京都の会社を100%子会社化して、その編集部だけを親会社に吸収したということになる。さては、紙媒体からウエブに移動する準備かなあと邪推したり、会社のサイトを確認すると社員数7名となっているので、この先はどうなるのだろうと勝手に心配するのである。

    ※お得な情報※

    京都市内の書店でのみ販売している「京都手帖」の「京都限定版」が京都岡崎蔦屋書店のECサイトで購入できます。なお、そのサイトには「全国版」が二つ並んでいますが、右側の写真をクリックすると「京都限定版」を予約できます。

    https://store.tsite.jp/京都岡崎%20蔦屋書店/?input_order=2

     

  3. 光村推古書院から「京都手帖」る2023年度版が届いた。お値段は1,500円、税込み1,650円と据え置きである。すでにAmazonに載っているので、興味のある方はどうぞ。

    さて、2023年版は読者から企画を募り、クラッシックコンサート、スーパーマーケット、バーのコラムなどがある。いつまでも寺社仏閣と季節の祭だけに頼っていてはいけないということなのであろう。しかし、「大人の修学旅行のしおり」を目指した歴史年表と関係する建物の一覧は良い企画だと思う。

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