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川崎大師

たなきんです。いつもより少し短い文章です。

以前、京都とはあまり関係のない信州長野の善光寺について投稿した。この寺は珍しく特定の宗派に属さない無宗派であり、天台宗と浄土宗の両派によって運営されているが、今回は密教真言宗の開祖である弘法大師空海に由来する川崎大師を参詣したのでそれを記そうと思う。

弘法大師空海は、唐国から帰国して東寺を時の嵯峨天皇から御下賜され、比叡山延暦寺の天台宗の最澄といろいろなことがあって、最終的には最澄を弟子とした。また、故郷の四国ではあちこちに溜池を作り、全国を行脚して各地で奇跡を起こし、「ナントカ大師」と呼ばれる空海をご本尊とするお寺があちこちにある。その大師の中で正月の参詣客日本第三位の川崎大師に詣でてご祈祷して頂き、御札を頂いたので報告したい。

まず、車のナビの行き先に「川崎大師」と入力したのが間違いのモトであった。私は、神奈川県人として何度かお大師さまを参詣しているが、決まって京浜急行大師線を利用していたので車を使う参詣は初めてであった。そして、今回の目的地は川崎大師「本堂」ではなく、徒歩で12分、約1kmも離れている「自動車交通安全祈祷殿」だったのである。つまり、昨日受け取った新車の無事を祈祷していただき、車に貼るステッカーを拝受するのが目的だったのである。

そして、ナビの行き先を入れ直して到着した「安全祈祷殿」は、野球場が二つ三つ入るほどの駐車場を前にして、タイやインドの寺院のような尖塔を備えた建物であった。日本全国どこでも見かける瓦葺きで切妻の大屋根や、回廊、鐘楼はなく、屋根の下だけを見ると鉄筋コンクリートの役所のような作りなのである。

建物の左側が窓口になっていて、書類を住所氏名と車の登録ナンバーなどを記入して提出すると係員に磁石式のステッカーにするか、それとも糊で貼るシールにするかを問われる。磁石式ステッカーは、若葉マーク(初心者標識)でお馴染みであろうが、どう考えても磁石式の方が原価が高いと思われるのであるが、どちらを選んでも料金(祈祷料)は5,000円で変わらない。

祈祷は90分毎に行われるので、日頃の行いの悪い方は建物に向かって右側の待合室で1時間半も待たされることになる。そして、定時になると正面中央の扉が開き、数段の階段を昇るといきなり大ホールで映画館のような座席が扇状にご本尊へ正対するように並んでいる。なお、座席指定はない。

墨染めの衣をまとったお坊様が入ってきたので始まるかと思い、背筋を伸ばしたら会場係の方で、御札を運んで来ただけであった。御札の中央にはそれぞれの氏名が書かれてあり、横に本日の年月日も記されている。後ほど説明があるが、祈祷は一年間を目処に繰り返し来て欲しいということである。今流行りの言葉でいうとサブスクリプション・サービスなのである。金額はAmazon Primeとほぼ同じである。

さて。オレンジ色の袈裟を掛けたお坊様が入場してきた。葬式では「導師入場、皆様、合掌にてお迎えください。」ということになるが、アナウンスはなかった。ご挨拶は「今は秋の交通安全週間です。」とか「安全は ゆっくり走る ゆとりから」などと丸で運転免許更新の講習のような話から始まった。そういえば受付でいただいた小冊子は、免許更新の際に配布される小冊子とほぼ同じで、裏表紙が交通違反点と反則金一覧表なので戒めになる。因みに時速50キロオーバーは12点だが、妨害運転は最低で25点である。

さて、お祈りの最初は、「南無大師遍照金剛」(ナァムダイシヘンジョーコンゴー)を三回、ご唱和下さいから始まり、次に何やらお坊様か唱えるのであるが、ようやく聞き取れた言葉に「諸願成就」や「疫病退散」まであったので、車の安全だけでなく諸事万全の安泰を祈願してくれているようである。続けて太鼓をドンドコドンと叩きながら般若心経を唱え、約10分の念仏が終わり、皆様、外へと促されて、建物の前に並ばされた車に戻った。

ところが、儀式は終わっておらず、お坊様は建物の外に出てきて、階段の上で数珠と独鈷を持ち、なにやら並んだ車に向かって御念仏を唱え始めているのだ。まあ、運転手の安全を祈った後には自動車の安全も祈っていただけるのである。慌てて車から出て、階段を昇りお坊様の横に行き手を合わせて今後の車の無事を祈ったのである。

なお、令和五年五月はお大師さま生誕1250年の記念すべき年であるので、川崎大師を含む全国各地の「お大師さま」で法要が行われる予定である。

誤記訂正;弘法大師さまのお誕生日は6月15日で、誕生祭が5月から開催されます。戒めとして本文は変えずに、ここでお詫びします。もみじさま、ご助言ありがとうございました。

川崎大師自動車安全祈祷殿サイト

タナキン

北山ユース開所366日目から宿泊して、皆さまに育てられた大昔のホステラーです。 京都の寺社仏閣の全数踏破を終え、次に季節毎の拝観を実施中。

1件のコメント

  1. お疲れ様です。

    もっといろいろお話をうかがいたいと思います。

    ところで、お大師様の誕生日は、6月15日だったと思います。

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