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大徳寺特別公開

たなきんです。いつものように長文です。

京都紫野大徳寺は、北山ユースに通われた読者の皆様にはあぶり餅を食べた後の通り道として記憶されているのではないでしょうか。何故、通り道として記憶しているかというと北大路へ出るにはそこが便利だからということと、大徳寺が京都には珍しく観光寺院ではない。つまり、拝観できる堂宇、塔頭が殆どないことが原因だと思われます。

令和五年四月二十七日より、大徳寺本坊伽藍特別公開があり、三門「金毛閣」、法堂(はっとう)、唐門を拝観して参りましたので、報告いたします。「金毛閣」はその楼上に千利休像を安置したことから、門を潜る豊臣秀吉を愚弄しているということで切腹、三条河原にさらし首という事件はあまりにも有名です。また、「法堂」の天井には狩野探幽の描いた雲龍図が有名で堂の中央で手を叩くとビビンと響く鳴き竜も経験できます。さらに「唐門」は国宝で、豪華絢爛でなかかつ精緻な彫刻に驚きます。

また、同時拝観の「仏殿」は358年振りの公開となります。

さて、京都駅から204系統の市バスに乗車、「大徳寺前」で下車して、大徳寺納豆で有名な一久を右に見て歩くと、左に大きな駐車場が見えて参ります。駐車場を左右に見た入口が「総門」なのでありますが、駐車場には一台の大きな高所作業車がアームを伸ばしており、アームの先のゴンドラには、動画撮影用のカメラが三門を俯瞰して撮影を行っておりました。帰途に同じ所を通り、お話を伺うと特別な日だからということではなく、素材撮影とのことでした。また、このような高所作業車は運転技能資格が必要になりますが、なんと作業者付きでレンタルできるそうであります。「そうだ京都行こう」のテレビコマーシャルの動画にはよく高所から俯瞰した桜や紅葉の風景が出てきますが、このような車を使っているのでしょう。ちなみに6時間で2万円くらいなので、次の桜の季節にいかがでしょうか。

閑話休題。まずは「勅使門」の見学です。ここは一般の通路に面していますので正面から無料で拝むことが出来ますが、門を入った内側から望むことができるのは今回の特別公開の対象者のみとなります。

そして、「勅使門」を背中にすると正面に丹塗りの「金毛閣」がそびえております。千利休像は二代目で、門に向かって門の第二層のやや左側に安置されているとのことでしたが、楼上に上がることもできず、ははあと説明を聞くばかりでした。そして、特別に開かれた朱塗りの門を豊臣秀吉や数多の武将と同じく通ることができるのは2000円の拝観料を払った者だけの特典であります。なお、撮影禁止なので写真はございません。

重要文化財「仏殿」の一般への公開はなんと今回が史上初ということで、胸が高まります。また、堂の右横にはイブキの古木(京都市天然記念物)がそびえていて、仏殿が応仁の乱で焼けて再建した1665年に植えられたものと説明されると幾星霜の時の流れを感じるのでありました。

堂内には方広寺の大仏の十分の一の縮尺の釈迦如来像が、、、という説明はいくつもあります。しかし、方広寺の大仏は少なくとも五回くらいは作り替えられていているので、どの代の大仏なのかは随分と調べたのですが判然としません。

さて、仏殿に入り、天井を見上げるとそこには雲龍図が描かれ、真下に立ち止まり両手をパチンと打ち鳴らすと、その音が床と天井を行きつ戻りつして、ビビンと響きます。私は各地の鳴き龍、鳴り龍の寺を訪れておりますが、この仏殿ほど響きがよい御堂はありません。是非とも特別公開の期間内に皆様に挑戦して頂きたく存じます。

最後に「法堂」に向かいます。入ってみると仏像がない。仏壇のような講壇があってそこに導師(正しい言葉は知りません。)が登り、説教を垂れるという仕掛けなのだそうです。内部の写真撮影は禁じられておりますが、特別公開が終わって帰る途中に「法堂」の横の扉が開いておりましたので撮影してみました。仏像がないことをご確認ください。

最後に「唐門」ですが、南側から「勅使門」、「金毛閣(三門)」、「仏殿」、「法堂」と一直線に並んでいますが、「唐門」は「法堂」から北東の方角にあります。なんと日光東照宮の陽明門のモデルになったと聞けば、イメージが湧くのではないでしょうか。派手好きの秀吉が建てた聚楽第の遺構だと伝わっていて、江戸時代は勅使門の西側にあったのですが明治になって方丈の前の現在の場所に移築されたとのこと。色鮮やかな塗装、大胆かつ細やかな彫刻に息を飲みますが、詳しくは写真をご参照下さい。

さて、この「唐門」の向こう側には国宝の「方丈」があり、門と方丈の間には枯山水の庭、方丈の西側には「本坊」があります。これらはやはり非公開ですが、割と頻繁に特別公開することが多いのでまた拝観に来なくてはと思うのであります。

タナキン

北山ユース開所366日目から宿泊して、皆さまに育てられた大昔のホステラーです。 京都の寺社仏閣の全数踏破を終え、次に季節毎の拝観を実施中。

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